VPNサービスの利用はますます一般的になっています。例えば、視聴制限がかけられているその国独自のコンテンツにアクセスできたり、保護された安全な通信ができたりします。
とても便利な一方で、世界中のすべての国でその使用が認められているわけではありません。 国によっては、VPNの使用を禁止している場合もあります。そこで今回は、そのVPNが使えない国をまとめてご紹介したいと思います。
VPNを利用するメリットとは
まずは、VPNを利用するメリットについてみていきましょう。
- 通信内容を暗号化することで、安全な通信ができる(プライバシーの保護)
- IPアドレスを非表示にすることができる
- IPアドレスを変更してジオブロックを回避できる など
これ以外にも様々なメリットがあります。しかも、VPN 接続方法はとても簡単!簡単にできて、セキュリティ対策としても有効活用できます。
なぜVPNの使用は禁止される?
インターネットを通して得られる情報は、リーダーシップを維持するために国民の無知に頼る体制にとっては、非常に危険なものです。歴史を紐解いてみても、これまでも全体主義政権は、国境を通過する情報を非常に厳しく管理していました。道路や列車のルート上に検問所を設け、反対意見を持つ書籍やチラシ、パンフレット、さらには人間がいないかどうかをチェックしていました。
現代において、情報は、光の速さで世界中のどこからでも得られるようになりました。情報をコントロールすることは、インターネット以前の時代とは比べモノにならない程難しいのです。さらに、VPNを使用することで、保護されたセキュリティー体制の中で情報収集することができます。つまり、個人情報を探知されず、ネット上の活動も監視されないということです。たとえ、政府からあなたの情報を公開せよという命令が下っても、その情報は入手できないようになっています。これらを踏まえて、VPNの使用を禁止している国があるというわけです。
VPNの使用が使えない国
北朝鮮
これは、もはや驚くべきことではありませんね。北朝鮮の全体主義的な政府は、国境を越えるデータを制限し、検閲するためにあらゆる努力をしています。北朝鮮の国民が外部の情報にアクセスするには、小型のUSBメモリを国境を越えて密輸する必要があるそうです。VPNの使用は、夢のまた夢といったところでしょうか。
中国
VPN 中国での使用は禁止されています。VPNプロバイダは、政府から許可を取った上で営業を続けることができますが、許可をとるための合意事項を読んでみると、営業を続ける意味がないに等しいことが分かります。
イラク
今回のリストの中で、VPNを禁止する正当な理由が(ほぼ)あると言える数少ない国のひとつです。その理由は、ISISが憎しみのメッセージを広め、新しいメンバーを募集するために、ソーシャルメディアを定期的に利用しているからです。その結果 イラク政府は国内でのインターネット利用を厳しく制限し、VPNの使用を全面的に禁止しています。ISISのプロパガンダを阻止するためという理由は、理解が示しやすいのではないでしょうか。
イラン
VPNの使用に関する法律によると、政府の許可をとったプロバイダのみの使用が合法です。しかし、それは間接的に「検閲されている」ということなので、VPNの意味がなくなってしまいますね。
アラブ首長国連邦
SkypeやWhatsAppなどの無料のVoIPサービスを利用していたため、UAEではVPNが禁止され、自社の大手通信会社は放棄されました。 アラブ首長国連邦はまたフランスのTVチャネルおよびNetflixの完全な禁止を置いた。 その規定に違反した罪を犯した者は、その犯罪の内容に応じて、懲役刑または最高$ 400,000の罰金を科されることになります。
オマーン
オマーンは、インターネットを含むメディアを活発に禁止・検閲しており、VPNの使用も禁止しています。
トルコ
ソーシャルメディアの使用を食い止めるため、トルコ政府はVPNサービスを提供するウェブサイトなど、多数のサイトを制限しています。
ロシア
ロシア政府はVPNを禁止する法律を可決しました。この法律には検閲を強化する意図があります。
ベラルーシ
2015年にロシアの後を追うかのようにトーアとVPNサービスの使用を制限し始めました。ISPは関係組織の発行している禁止サービス一覧を定期的に確認することが義務付けられています。
ベネズエラ
加えて、ラテンアメリカ諸国もまたTor banによる検閲を強化しています。ベネズエラでは、国内最大のISP、国営CANTVがTorを禁止しました。
※ご紹介したのは、インターネットへのアクセスを検閲する努力をしているごく一部の国々です。
最後に
今回は、VPNの使用が禁止されている国をご紹介してきました。残念ながら、これらの国々ではインターネットは厳重な監視と規制の対象となっています。VPNの使用を禁止している国でVPNを使用した場合、罰則が課せられますので十分にご注意ください。一方で、ほとんどの国はVPNの使用を許可しています。そのため、VPNを使って違法行為をしていなければ心配はいりません。