筑波大学の研究プロジェクトとして開発!SoftEther VPNとは?

巷ではイーロン・マスク氏のTwitter買収が世の中を騒がしており、その中でも「過重労働を課す」と言われてる内容が週40時間であり、「それ普通なんじゃない?」とネット上で波紋を呼んでいます。それでも、社員の半分をカットするというマスク氏のプライベートカンパニーならではの断行は、優秀な社員を集めるきっかけでもあります。

特にTwitterでは幾度となく個人のアカウントがハックされ有名人のアカウントが乗っ取られたりしており、サイバーセキュリティが問題視されていました。

さて、そんなサイバーセキュリティ対策の有効手段の一つとして有名なVPNですが、実は無料でVPNサービスを提供している団体が日本にあるのを、皆さんはご存じですか?

今日はそんな日本発のサービス『SoftEther VPN』についてご紹介したいと思います。

VPNって?

本題に入る前に少しだけVPNについての説明をさせてください。

VPNとは「Virtual Private Network(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」の略語で、仮想の専用線をネットワーク上に構築する技術の一つです。元来、有線でつないでいたネットワークを無線でつなぐことで、外部からハックされる可能性が増します。

よく考えるとチェーンストアやカフェ、公共施設の無料WiFiって誰でも使えちゃえますよね。誰でも使えるってことは誰もが誰かのパソコンに入り込む余地があるってことです。VPNはそれを防ぐべく、インターネットやネットワークとの接続をカバーのようなもので覆って外部からの攻撃から身を守るような役割を果たす、と考えてもらえば近いかも知れません。

SoftEther VPNについて

成り立ち

SoftEther VPNは、当時、筑波大学の学生だった登大遊さんが2003年にIPA未踏ソフトウェア創造事業 (現: 未踏IT人材発掘・育成事業) で開発したものです。

開発に必要な資金の補助などを受け、このVPNソフトウェアを開発し、プロジェクトの条件だった「開発したソフトウェアを広く頒布すること」の趣旨に乗っ取って、無料配布をしたのが始まりです。

彼がVPNソフトの開発に興味をもったのは、次の2つの理由からだったそうです。

  1. 大学内の無線LANを通じて、自由にインターネットにアクセスしたい
  2. 学校で使用しているネットワークのセキュリティに興味をもった

特に2は、彼自身がある科目の単位を落としそうだったので、学校の成績管理システムを技術的に書き変えられるかどうかに興味を持ったとのこと。実際に彼はVPNについて勉強して、学校のセキュリティを潜り抜け、実際に成績の書き換えに成功したそうです・・・!なんという天才でしょうか。

使い方

さて、それでは皆さんお待ちかねのSoftEther VPNの使い方を簡単にご紹介します。

検索エンジンで「VPN Gate」で検索すると、VPNに関する筑波大学の学術実験プロジェクトのHPが出てきます。そのHPを開いて、上のタブの中から「ダウンロード」を選択します。すると、HP上にダウンロードの仕方と、ダウンロードした後の使い方が記載されています。

対応OSは、Windows/Mac/iOS/Andoroidと、PCだけでなくスマートフォンでも利用できるので安心です。

SoftEther VPNは、それ自体がVPNの役割を果たすのではなく、オープンソースとしてこのプロジェクトに任意で参加している団体や企業が無料で提供しているVPNサーバーに接続するというものです。なので、日本だけでなく、韓国、イラン、アメリカ、台湾など海外のVPNを使用することも出来るのが一つのポイントです。

SoftEther VPNを利用するメリット

VPN Gateのサイトで説明している通り、VPN接続を使ってネットワークを利用するメリットは大きく3つあります。

①ファイアウォールを回避、海外サイトを自由に閲覧できる

たまにTwitterやYouTubeの動画を見ようとしたときに、「この動画はお住いの国からは見れません」みたいな表示が出るときってありますよね?そう、あれです。あれを回避できるんです。日本から無理でも、海外のVPNを使うと見れる可能性があるんです。

②IPアドレスがVPNサーバーのものに書き換わる

IPアドレスを他人に特定されると、悪質な他の人があなたに成りきり、自身に身に覚えのない情報を知り合いに勝手に送られたりすることが可能になってしまいます。VPN接続はこういった、第三者にあなたの情報を使われるリスクから守ってくれます。

③暗号化により公衆無線LANを安全に利用できる

前述した通り、街中で使える無料の無線Wifiサービスを使用する際に、VPNがあなたの接続をカバーで覆い隠して、サイバーハックから守ってくれます。

最後に

いかがだったでしょうか?あまり専門的な知識がない方には難しいかもしれませんが、VPN接続が無料でつなげる恩恵は、計り知れません。企業レベルになると互換性の問題などもあるので、それらの保守は有料でソフトイーサ株式会社さんが提供されています。日本初の画期的な取り組みとして、より認知されてほしいですね!