「Virtual Reality」の略で、日本では「仮想現実」と呼ばれる「VR」。しかし、VRという言葉は知っていても、具体的にどんな技術なのか、実際に体験したことがある方はまだ少ないのではないでしょうか。VRを取り入れたいと考える企業も多いと思いますが、その仕組みや実際の利用シーンなどを把握しきれていないケースもあるでしょう。そこで、今回はVRやVR ゴーグルを使ってできること5選をご紹介します。
VR映像は「視聴型」と「参加型」の2タイプ
VRは映像を360°見渡せるため、通常の映像や画像よりも多くの情報を得られます。また、似ている技術で「AR(拡張現実)」と呼ばれるものもあります。VRには、大きく分けると2通りがあります。
視聴型
視聴型は流れている3D映像を見るだけですが、授業を受けたり、医療の支援をしたりといった使い方が可能です。
参加型
一方、参加型のVRでは、映像の中を自由に歩き回るだけでなく、映像内のものを触ったり動かしたりすることもできます。そのため、観光事業や住宅販売において活用されています。
VRやVR ゴーグルを使ってできること5選
ここではVRでできることについて5つのジャンルに分けて紹介していきます。様々な場面で活用できるので、1つずつ見ていきましょう。
エンターテイメント
VRでできることの中で、定番かつ人気のカテゴリーといえばエンタメ。ゲームはもちろん、VRで見ることを前提に制作された映画や、スポーツ選手や野生動物の稀少な視点を体験できるVR動画など、多くのコンテンツが流通しています。
VRゲームの分野では、家庭用ゲーム機は、ソニーの「PlayStation VR」とFacebookの「Oculusシリーズ」が売り上げトップを争う人気機種。今では、コントローラー不要のハンドトラッキング機能が登場するなど、まだまだ新しい開発が進んでいます。
研修・トレーニング
業務で習得しなければならない工程や専門技術を、より安全で分かりやすく進めるために、VRを駆使したトレーニング教材を用いて指導することで、新人研修をスムーズに進めることができます。
研修内容を口頭やテキストだけで伝えた場合、参加者すべての人に業務内容を熟知してもらうことは難しいのが現実。しかし、実際に現場にいるかのような感覚になれるVRを使えば、理解力の個人差を縮めることが可能です。
このほかにもVRを使ったトレーニングは、介護士の研修や接客マナーのレクチャーなど多くのジャンルで展開しています。共通するポイントは、一度制作した研修教材は何度も繰り返し使用することが可能なので、研修コストの大幅な削減に繋がる点でしょう。
教育・学習
VRは教育の場面でも大活躍しています。視覚と聴覚に強いインパクトを与えるVR技術を教育に用いることで、学習への向上心を高める効果が期待されています。
歴史、地理、英会話、化学などあらゆる分野でVRが活用されており、今後デバイスやコンテンツの普及が進んでいき導入ハードルが下がれば、VR教育が一般的な教育方法として認知される日はそう遠くない未来でしょう。
コミュニケーション
VRはコミュニケーションツールとしても活用できます。VRはビデオチャットと異なり、相手と通話しながら目の前の空間に文字や写真を表示させたり、ハイタッチや握手をしたりと言葉以外でコミュニケーションを取り合うことが可能です。
この新体験は、ソーシャルVRにて実現可能。ソーシャルVRとは、VRでできるSNSのことで、TwitterやInstagramに次ぐ新たなプラットフォームになると話題になっており、海外では「Rec Room」、国内では「cluster」が有名です。
広報・PR
VRでできることの中で忘れてはいけないのが、商品やサービスを提供する側としての使い方です。360°映像の特徴をうまく活用すれば、ユーザーの好奇心を搔き立て、企業のPR活動に良い影響を与えてくれるはずです。
VRの今後や需要の見通し
仮想空間である、VRの需要は今後さらに拡大していくでしょう。とりわけ、エンターテインメント事業ではさらなる市場の拡充が予想されます。その中でも、VRゲーム、VRビデオ、ARゲームの成長は著しく、きっとすぐに家庭でも手軽にVRを楽しめるようなる可能性も高いでしょう。
まとめ
VRでできることは、エンターテイメント分野だけでなく、教育、コミュニケーション、広報活動など盛りだくさんです。また、今後5Gの通信システムが一般化すると「通信遅延の解消」「大容量データの送受信」「デバイスの同時接続可能」の3つの恩恵を受けることができます。これにより、高画質・長時間VR動画のダウンロードやソーシャルVRなどのサービスが、現状よりもさらにストレスフリーで楽しめるようになります。
今後5G時代に入ることで、VRはますます私たちにとって馴染のあるツールになるはずです。日々の生活から学びまで、暮らしを豊かにしてくれるVRの未来に、今後も期待していきたいですね。